
Tennis Column
テニスにまつわる言葉や現象などについて。
大切なことはすべてテニスから教わった、、、と時々思うことがありま す。
⑧Wild Card (ワイルドカード)
テニスにおけるワイルドカードとは、大会主催者が本戦 出場資格のない選手に与える、特別出場枠のことです。プロのツアーでは各大会毎に出場枠があり、出場選手はその時のランキングで決まります。通常本選に入れず予選から戦わなければならない選手などを、大会主催者の推薦という形で予選を免除するシステムです。多くは、その大会の開催国の期待の若手選手や、かつて活躍していてランキングは低くても人気のある選手などが該当する事が多いです。

ヴィーナス・ウィリアムズ選手をご存知でしょうか?セリーナ・ウィリアムズとともにウィリアムズ姉妹として一時代を築いた選手です。お二人とも引退していたと思っていたのですが、7月にアメリカで開催されたシンシ ナティ・オープンという大会でワイルドカードで出場しました。現役選手世界最長の45歳で現役復帰、驚くばかりです。
ちなみにスポーツ以外でこの言葉は様々な意味で使われますが、IT用語としては、「」や「?」などを指し、検索や置換などの処理をする際、任意の文字や文字列を表す特殊な記号のことを言うそうです。
⑦Rough /Smooth (ラフ/スムース)
テニスの試合を始める時に、ラケットを回して、試合相手に表か裏か選んでもらい、当たった方がサービスかレシーブを選ぶことができるシステムを「トス 」といいます。
ラケットのグリップエンドのメーカーのロゴの方向で上だったらスムース、下だったらラフと言うそうなんですが、わたしは毎回どっちがどっちだかわからないくなります。上(アップ)、下(ダウン)で統一してもらえるといいなと思うことが良くあります。
正式な試合では「コイントス」としてコインを審判が回し、表、裏を当てることが多いですね。たまに日本人の試合で表裏の代わりにナンバー、フラワー(日本のお金の数字側とお花側の意味)とか使っているとすごく違和感を感じてしまいます。

ちなみに、このトスによって、サービス・レシーブを選ぶ以外にもコートを選ぶこともできます。先日の試合で、「選択権を相手に譲る」という選択肢もあることを知り驚きました。どのような場面でこれを使ったら良いのか答えがわかりませんが。
⑥Surface (サーフェス)
テニスで言うサーフェスとはコートの材質のことを言いますが、テニスという競技をここまで複雑に、また同時に面白くしている大きな要因のひとつだと言われています。
サーフェスを大きく分けると4大大会に代表される「ハードコート」、「グラス(芝)コート」、「クレーコート」の3種類があります。
同じハードコートでも全豪オープンと全米オープンのハードコートでは、バウンドや感触が異なるそうです(見たことも使ったこともありませんが、、)。また、ジャパンオープンで使用される有明のハードコートも他国のそれと異なり球足が非常に速いのが特徴とされています。プロの選手は1年をかけて、いろいろな国の様々なサーフェスで試合を重ねますので、その都度サーフェスの特徴に合わせた戦い方が必要とされ、大変そうですね。
わたしたち日本のアマチュアの世界で言うと、オムニ(人工芝)コートと、インドアに多くあるカーペットコートも身近な存在です。わたしのレベルだと、どんなサーフェスでもあまり変わらないのですが、いつかは「今日のサーフェスは(球足が)速くで難しかったね」とか言ってみたいです。

⑤ Love Game (ラブゲーム)
なぜテニスではゼロをラブというのか、これは永遠のなぞだそうです。その理由は諸説あって、ゼロを卵にたとえフランス語(l’œuf)を使用→イギリスにわたりloveに言い換えられた説とか 名誉をかけて勝負を始めるということから→名誉を意味するオランダ語(lof) →音の近いloveに 1点も取れなかった相手に対し「ラブ」とやさしくなだめた と本当に諸説あるそうですが、どれもまったくピント来ないのが、何とも面白いと思っています。そのうえ、カウントがどうして0-15、0-30、
0-45 と15きざみなのかもルーツはわかっていないそうです。
ちなみに3セットマッチで6-0,6-0のゲームをダブルベーグル(double bagel)と呼びますが、これはゼロ2個がベーグルの形に見えるからだそうです。
卵とかベーグルとかかわいいですね。
全く歯が立たずダブルベーグルで負けてしまった試合の帰りには甘~いベーグルでも食べて自分を慰めてあげたいですね。

④ Tie Break (タイブレイク)
テニスや野球などで早く試合の決着をつけるための『タイブレイク』という制度があります。1セットマッチのテニスの試合では6-6になった時にこのタイブレイクとなり、通常7点先取でこの試合の勝者が決まります。
タイブレイクに臨む時にわたしがいつも考えていることは、「2点のうち1点を取ること」これにつきます。
プロの試合(特に男性)では、サービスキープが基本で2本づつサーブ権が移るので、この考え方は一見すると負けにつながりそうなのですが・・・・素人の試合では、サービスキープはそれほど必須でないことが多くあり、、「2本のうち、少なくとも1本を取ろう!」くらい軽く(ゆるく)考えることで、自分にプレッシャーをかけず肩の力が抜けてうまく行くことが多くあったりします。
人生もタイブレイクなんじゃないかと考えるのは大げさでしょうか?毎日勝ち続けることはできない(何に?)から、2回に1回くらい勝つくらいが、丁度いい、全体的にうまく行くんじゃないかって。つくづくテニスって人生を教えてくれるなーと感じます。

③ Break Back(ブレイクバック)
テニスを知らない人に「ブレイクバック」を説明しようとすると、まずは「サービスキープ」の説明からが正しい道筋だと思います。
テニスの試合では、サービス側が圧倒的に有利とされている中で、試合に勝つためのまず第一歩としてサービスキープ(サービスのゲームを取るということ)が必須というセオリーがあります。
逆にいうと相手のサービスゲームをいかに破る(ブレイク)するかが、その試合に勝利できるかのカギを握ることになる訳です。試合が進む中、ゲームをブレイクされた後、相手のサービスゲームをブレイクし返すことで試合をイーブンに戻すことができます。
ひとつのブレイクで試合を決めようとする側と、すかさずブレイクバックして、試合を戻し、さらに逆転して行こうとする両者のせめぎ合いが観ている側としては非常に盛り上がります。テニスというゲームの複雑な心理戦がもっとも顕著になる場面だと思います。
漫画『ブレイク バック』はこの言葉をタイトルとしている漫画だけあって、試合の中の複雑な心理戦がとても良く描けています。

②Challenge System(チャレンジシステム)
審判員のイン・アウトのジャッジに不服があった場合、選手は主審に異議を申し立て、ビデオ判定に持ち込むことができます。これがチャレンジシステムです。テニスはメンタル要素が非常に強いスポーツですが、たった1点が試合の結果を左右すると思うことが良くありますよね。試合の重要な場面で、このチャレンジの成功でそのゲームを取り、後々振り返った時、あのポイントから流れが変わったりということがあります。
最近はバレーボール、サッカーなど他のスポーツでもこのチャレンジシステムが導入されていて、よりフェアーに試合が進行するようになっています。
ちなみに、遊びの試合中など、微妙な判定について「チャレンジ!」と声をあげる場面はテニスあるあるだと思います。
コロナの影響で2021年の全豪オープンから採用された自動判定システム(ホークアイ)の登場により、その様相が変わってきていますが、それはまた別のコラムで。

試合に出ている人、プロの試合をテレビなどで見ている人にはおなじみな言葉『ラッキールーザー』
ウィキペディアによると、「試合に敗れたものの、勝利者の辞退などにより勝利者と同等の扱いとなった競技者・チームのことである」とのこと。
日本語訳がないためこの言葉を聞くと少しざわっとするのはなぜでしょうか? 幸運なのか、不運なのかよくわからないから? ラッキールーザーからトーナメントを勝ち上がって上位入賞なんてとてもドラマチックですよね。このコラムを書いている当日にそんなニュースも飛び込んできました。
日比野菜緒がツアー3勝目、ラッキールーザーとしてプラハOP制覇
日比野選手、おめでとうございます!これをステップにさらに頑張ってほしいです!
テニスから離れますが、英語で降水確率〇〇%です、という表現を“There is a 〇〇% chance of rain“.とchanceを用いたりします。。英語圏の人ってラッキーとかチャンスとかつくづくポジティブですね。
